理事長あいさつ

公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団 理事長

広瀬 勝貞

 大分県は、豊かな自然と古い歴史文化を背景に、宇佐・国東を中心とする神仏習合や、大友宗麟の時代に花開いた南蛮文化など、異文化を積極的に受け入れる進取の気風に富んだ社会を築いてきました。現在もその歴史と風土は、大分の人びとに受け継がれ、脈々と息づいています。
 その文化の流れを今に受け継ぐ場として、iichiko総合文化センターと県立美術館によって形づくられた「芸術文化ゾーン」があります。北に国東半島、南に佐賀関を望み、由布岳・鶴見岳を仰ぎ、さらに九重連山を遠望する絶好の環境に位置するこのゾーンを、当財団は「五感の翼」と名付けました。美術と音楽をはじめとする幅広い芸術文化の融合を進め、ここから新たな感動と価値を創造していくことを目指しています。

 この理念のもと、iichiko総合文化センターと県立美術館の管理運営にあたっては、これまでに培ってきた知恵と実績を基盤に、時代の変化や県民の皆さまの思いに応えながら、サービスの質を高め、施設が持つ力を最大限に引き出す工夫を重ねています。iichiko総合文化センターでは、国内外の優れたアーティストによる音楽や演劇など多彩な公演を行い、県民の皆さまに心豊かな時間をお届けしています。県立美術館では、国内外の名品や地域ゆかりの作家を紹介する展覧会をはじめ、子どもから大人まで楽しめる企画を開催し、誰もが身近に上質な芸術体験を味わえる場を提供しています。こうした取組みを通じて、芸術文化の振興にとどまらず、その創造性を活かして教育や産業、そして地域づくりの推進にも貢献することを目指します。

 私たち大分県芸術文化スポーツ振興財団は、多くの県民の皆さまに音楽や演劇などの公演や美術作品などを鑑賞し楽しんでいただきながら、その中で、県民の皆さまから頂戴したご意見やご希望に応えるべく絶えず成長していく、そういった財団であることが大事だと思っています。
 iichiko総合文化センターと県立美術館が多くの県民の皆さまに親しまれ、心に残る施設として愛され、県民の皆さまの「心のふるさと」となれるよう、ともに力を合わせて運営に当たってまいりましょう。