理事長あいさつ

公益財団法人 大分県芸術文化スポーツ振興財団 理事長

御手洗 康

 大分県芸術文化スポーツ振興財団の理事長として一言ご挨拶申し上げます。
 コロナ禍での生活も3年目に入りました。これまで、県民生活のあらゆる部分が大きな影響を受けるとともに、県民の皆様の芸術文化活動も大きく制約され続けています。しかし、そういう時だからこそ、芸術文化を通じて県民の皆様の心を豊かにし、生活にゆとりや潤いを与えるとともに、「芸術文化の創造性を生かした」地域活性化に資する活動に積極的に取り組んでまいります。

 令和4年度は、当財団にとって節目の年に当たります。現指定管理期間及び第2期中期経営戦略計画の最終年度に入るため、次期指定管理に向けた準備や戦略項目ごとの目標達成に向け事業を企画・実施するなど、総仕上げに取り組みます。
 特に、総合文化センターについては、令和5年度の天井改修に伴う休館の前年度にあたることや大分県が「東アジア文化都市2022」の開催県となることから、例年以上に充実した公演を企画しています。

 大分県は豊かな自然と各地の多様な文化を背景にしながら、宇佐・国東を中心とする神仏習合、16世紀大友宗麟の時代の南蛮文化など、異文化を積極的に受け入れる進取の気風に富んだ風土を作り上げてきました。江戸時代は小藩分立の中で、多様性に富んだ自然と地理的条件に支えられて、世界無形文化遺産に指定された「日田祇園の曳山行事」をはじめ地域ごとに盆踊り、神楽などの伝統芸能や祭りなど多種多様な文化が育まれ、現在まで脈々と受け継がれてきました。

 iichiko総合文化センターと県立美術館のある「芸術文化ゾーン」は北に国東半島、南に佐賀関に囲まれた別府湾に面し、すぐに高崎山、由布岳、鶴見岳を仰ぎ、傍らを大分川、大野川の二つの河川が流れ、遥かに九重連山を眺めることができる位置にあります。
 当財団は「豊の国」と言われた大分県の豊かな自然のすべてを満たした場所にあるこの芸術文化ゾーンを「五感の翼」と名付け、美術と音楽など幅広い分野の芸術文化の融合と、新しい価値の創造などの活動を展開しています。

 一人でも多くの県民の皆様に二つの施設に足を運んでいただいて、音楽や演劇などの公演や美術作品などを鑑賞して楽しんでいただき、感性や創造性を磨いて五感の翼を広げていただくとともに、安らぎと感動を味わっていただきたいと思います。iichiko総合文化センターと県立美術館が多くの県民の皆さんに親しまれ、心に残る施設として愛され、県民共通の「心のふるさと」となるような施設として皆さんに支えられて成長することができるよう、職員一丸となって運営に当たってまいる所存です。

 今後とも当財団の活動に対しまして一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申しあげます。

令和4年4月