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2025.07.01

語りと音楽でつづる 宣教医アルメイダ 西洋医術の伝来 濱田芳通 & アントネッロ

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アルメイダ生誕500年を祝して描かれた、完全オリジナル音楽劇 大分の歴史に刻まれた宣教医の物語が、いま幕を開ける――

豊後の地で使命に目覚めたひとりの異国人

 

 16世紀、日本は戦国時代の真っ只中。領土をめぐる争いが続くなか、ひとりのポルトガル商人が海を越え、日本へと辿り着きました。
 その人物こそ、ルイス・デ・アルメイダ。のちに豊後国(現在の大分)で、日本初の西洋式病院を開設した宣教医です。
 戦乱と信仰の狭間で、彼が医師としての使命に目覚めたのは、聖フランシスコ・ザビエルの教えや、大友宗麟のキリスト教への理解と支援の精神、そして幾度もの試練を経てのことでした。

 

祈りと響きが交わる古楽で描く、16世紀の大分

 

 本作は、iichiko総合文化センターの依頼により、濱田芳通が考案・構成を手がけた完全オリジナル音楽劇。アルメイダの生誕500年を祝し、医師として命を救い、宣教師として信念を貫いた彼の生涯を描いた物語です。
 舞台を彩るのは、日本屈指の古楽アンサンブル《アントネッロ》。リコーダー奏者でもある濱田芳通を中心に、歴史的背景と登場人物の感情に寄り添う音楽を追求してきた彼らの演奏は、物語の奥にある想いを、静かに映し出します。
 古楽器が奏でるメロディに、祈りの記憶がふと重なる瞬間――音楽は語りとともに物語を紡ぎ、観客を16世紀の豊後・府内へといざなう。500年の時を越えた今、その物語がアルメイダゆかりの地・大分で幕を開けます。ぜひ、お見逃しなく。

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ルイス・デ・アルメイダ像

ルイス・デ・アルメイダ

商人として日本に来航した後、医療とキリスト教の布教に従事したポルトガルの宣教医。豊後(現在の大分)で、日本初の西洋式病院「府内病院」を開設し、地域の人々の命を救いながら、キリスト教の教えを広めました。その足跡は、今も大分の地に語り継がれています。

information

日時
2025年9月6日(土)13:30 開場/14:00 開演 (16:00終演予定)
会場
iichiko音の泉ホール
料金
S席 4,000円/A席 3,000円/B席 2,000円
(全席指定)
  • 未就学児童入場不可
  • U25割各席半額
台本
タナカ・ミオ
出演
濱田芳通 & アントネッロ

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濱田芳通主宰。1994年の結成以来、〈作品が生まれた時のスピリット〉を大切にし、躍動感と生命力に満ちた音楽の根源的な魅力を追求している。国内外のレーベルからCDをリリースし、古楽の解釈と演奏において第一線で活躍。クラシック音楽の枠を超えた純粋な音楽性を追求するその企画と作品は、クラシック音楽ファン以外からも注目と共感を集めている。 https://www.anthonello.com/

この記事は「びびNAVI vol.110」で掲載された記事です。
五感の翼が広がる総合ガイド誌「びびNAVI」は、iichiko総合文化センター及び大分県立美術館の館内ほか、県内や隣県の公立文化施設などで配布中。

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