人間国宝 岐部笙芳の代表作を一堂に展示 「2025 コレクション展Ⅰ 特集展示 竹工芸―伝統の美」

昨年、大分の竹工芸界には大きなニュースが舞い込んできました。九重町在住の岐部笙芳(1951-)人間国宝認定です。本展では、岐部が現・大分県立竹工芸訓練センターを修了した翌年に発表した本作品をはじめ、初期から近年までの代表作を一堂に展示します。

大分県立美術館は、県ゆかりの美術家を中心に5000点超の作品を収蔵しています。特に、竹芸分野で初の人間国宝となった生野祥雲斎(1904-74)の約80点を核に、約300点を誇る国内最大級の竹工芸コレクションは必見。
今年のコレクション展Ⅰでは、昨年県内2人目の人間国宝に認定された岐部笙芳の作品や、日本伝統工芸展・日展出品作、新進作家の作品を展示。さらに、福田平八郎を中心とした京都画壇の日本画、没後100年を迎える幕末の浮世絵師・右田年英の作品も展示いたします。大分ならではの文化風土が育んだ多彩な美の世界をご堪能ください。

竹工芸の魅力に迫る!
この作品は、竹工芸の伝統的な編組法の1つである縄目編が現代的に活用されています。作品名の通り、のどかな春の海の情景が目に浮かぶようです。離れて見ると帯のように見える波が、細部を見ると、非常に細く、長いひごで1本ずつ編まれています。是非会場でじっくりとお楽しみ下さい。前期展示(8/1-9/28)では本作品のほか、日本伝統工芸展に出品された作品を中心にご紹介いたします。

新たな表現への挑戦
作品名の《極光》とはオーロラの和名です。本田聖流(1951-)は、竹という素材が持つしなやかさや強さを最大限に生かし、新たな表現に挑み続けてきました。この作品は、縄目編という伝統的な技法を用いながらも、従来の「籃」という概念にとらわれず、オブジェとして発表されました。後期展示(9/30-11/12)では、日展に出品された作品やオブジェ作品を中心にご紹介いたします。
information
- 休展日:9/29(月)
- 金・土曜は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
大学・高校生 200(150)円
- ( )内は有料入場20名以上の団体料金
- 中学生以下は無料
- 大分県芸術文化友の会 びびKOTOBUKI無料、TAKASAGO無料、UME団体料金
- 高校生は土曜日に観覧する場合は無料
- 県内の小学・中学・高校生(これらに準ずる者を含む)とその引率者が教育課程に基づく教育活動として観覧する場合は無料
- 身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳をご提示の方とその付添者(1名)は無料
- 学生の方は入場の際、学生証をご提示ください
- 企画展の開催中のみ半券提示で1枚につき1回無料
この記事は「びびNAVI vol.111」で掲載された記事です。
五感の翼が広がる総合ガイド誌「びびNAVI」は、iichiko総合文化センター及び大分県立美術館の館内ほか、県内や隣県の公立文化施設などで配布中。
