日本初公開の”若冲”作品が来県 出光の名宝から約100点を厳選展示 出光美術館名品展
出光興産の創業者・出光佐三(いでみつ・さぞう)は、“海賊”という異名を取った類稀なる実業家でした。小説や映画でも話題となった佐三ですが、実は美術品の蒐集家というもう一つの顔があったことをご存知でしょうか?そのコレクションを広く公開すべく、社長を退いた昭和41年に出光美術館をオープン。自ら初代館長に就任し、後半生を芸術に捧げています。
禅画を原点に、中国陶磁器やオリエント美術をはじめとする東洋の古美術、江戸絵画に近現代の西洋美術まで幅広いコレクションの中から、約100点の名品を厳選した本展。ときおり蒐集にまつわる佐三の逸話も交えつつ作品をご紹介します。きっと蒐集家としての佐三からも、正しいと信じた物事を真っ直ぐに貫いた生きざまを感じられるはず。佐三が守り、未来へつないだ「美」に思いを馳せながら、名品の数々をご堪能ください。
文/冨松智陽
episode1 19歳で出会った運命の禅画 ―仙厓―
文人画を嗜んだ父の影響で 美術に傾倒した佐三が、19歳の時に初めて蒐集したのが禅僧の仙厓による掛け軸でした。そのユーモラスな絵に“恋した”という佐三の温かな一面が感じられます。型に捉われない自由な画風で難しい禅の教訓を伝えた仙厓の絵は、生涯を通じて佐三の支えとなりました。
episode2 近年、継承した知られざる若冲!
2019年、出光美術館は約190点からなる「プライス・コレクション」を継承しました。その中から今回は、伊藤若冲の作品を数多く展示。日本初公開となる作品も含まれているとか。アメリカを代表する蒐集家だったジョー・プライスもまた、石油関連の事業で財をなした人物でした。嗜好は佐三と異なるものの、芸術の未来に注いだ情熱は共通。“プライスのこころ”もたっぷり感じて!
episode3 海外でも蒐集 美しい陶磁器たち
佐三の興味は絵画にとどまりません。南満州鉄道との取引をきっかけに、中国陶磁器やオリエント美術にも魅了されていきました。苦境に立たされることの多かった佐三は、異国の宿に飾られていた陶磁器の美しさに癒されていたのかもしれません。そんな佐三が集めた陶磁器のコレクションを、桃山時代の古唐津から日本近代陶芸のパイオニア・板谷波山の作品まで幅広くご紹介します。
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- 展示替休展12/14(月)
この記事は「びびNAVI vol.117」で掲載された記事です。
五感の翼が広がる総合ガイド誌「びびNAVI」は、iichiko総合文化センター及び大分県立美術館の館内ほか、県内や隣県の公立文化施設などで配布中。